三国志をテーマとしたゲームに出てくる女性武将って本当に戦っていたの!?
昔は三国志のゲームと言えば、シミュレーションゲームしかなかったのですが、今やスマホゲームも含めジャンルも増えて、より遊びやすくなっています。
ゲームでは、個性豊かな武将たちのイラストが魅力的です。その中でも特に、美しく描かれる女性キャラは実在していたのか、本当に戦に参加したのかが気になりますよね。
今回は、よく三国志のゲームで登場する、魏に縁のある女性達に迫ります。
卞皇后(べんこうごう)
曹操の妻であり、曹丕の母です。
もとは歌妓でしたが、二十歳の時に曹操の側室となりました。
慎み深く、大変な倹約家で、親戚にも倹約に努めるよう戒めています。弟:卞秉(べんへい)のために曹丕が屋敷を建てた際、親戚を招いていますが、そこでもご馳走は出さず、最低の料理を設えたそうです。曹丕が太子に選ばれた時も、特別なことをしていません。
自分の身分が低かったことを忘れず、分相応な暮らしを心がけていたのでしょうか。丁夫人が曹操から離縁されても、彼女には常にへりくだり、気遣いを忘れることはありませんでした。
勿論戦には参加していませんが、軍の遠征には同行しています。老兵を見れば、必ず声をかけて絹織物を賜るなど、情に満ちた性格だったようです。
郭皇后
曹丕の妻です。
召使として働いているところを曹操に見出され、曹丕の御殿に入れられています。
元は良家の娘であったためか知略があり、度々曹丕に意見をしていました。曹丕が太子に選ばれたことも、彼女の画策が関わっていたようです。
とても慈悲深い性格をしており、後宮の者達を教育し、罪をかばうなどしていたため、人から怨まれることはありませんでした。そんな彼女を余程愛していたのか、曹丕は周囲の反対を押し切って、皇后に立てています。
頭が良かったそうですから、もしも曹丕について行って、戦場で献策していたら……なんて、考えてしまいますね。
夏侯氏
夏侯覇の従妹であり、張飛の妻です。
魏書・夏侯淵伝における「魏略」に、彼女について書かれています。
彼女が13~4歳の頃、薪を拾いに出かけたところで張飛と出会います。張飛は彼女が良家の娘であることを知って、妻にしました。
正史には「張飛につかまった」とあるので、なんだか誘拐されたような場面を想像してしまいますが、さすがにちゃんとした婚姻の手続きは踏んでいると思います。
曹操の縁戚でありながら、その身は蜀にありました。戦は彼女にとって、辛いものだったでしょう。夏侯淵が戦死した際、彼女は叔父の埋葬を願い出ています。
豪快な張飛の妻ですから、その人物像がとても気になりますね。
趙娥(ちょうが)(龐娥・ほうが)
魏書・龐淯(ほういく)伝における皇甫謐(こうほひつ)の「烈女伝」で詳しく書かれています。そちらでは龐娥親(ほうがしん)という名前ですが、彼女は趙君安(ちょうくんあん)の娘である為、ここでは趙娥と呼びます。
李寿という男に父親を殺されています。李寿への復讐を誓うも、趙娥の三人の弟達は疫病で亡くなってしまい、彼女一人で親の仇を討つことになったのです。
見事復讐を遂げ、そのまま李寿の首を持って自首しますが、役人は彼女を逃がそうとします。しかし、趙娥は「復讐が終わり、私が死ぬのはさだめです。なぜ生をむさぼってお上の法を曲げるのですか」と、自ら死罪を求めました。
もちろん殺人は罪でしたが、事情を知っている者達はみな、彼女を裁けなかったのです。結局、趙娥の主張は終始変わりませんでしたが、無理矢理家に帰されています。
親の恥辱をすすいだ、趙娥の道義心は称えられ、村の入り口には石碑が建ち、さらに伝記も作られました。仇を討った女傑として、ゲームに登場させやすかったのかも知れませんね。
彼女の息子である龐淯もまた義心に厚く、そのため曹操に召し寄せられています。龐淯の性格は、母親譲りなのでしょうか。
王異
三国志で唯一、戦闘に参加したと記録されている女性です。
王異が夫とともに冀城へ移住すると、その後、冀県は馬超によって攻撃を受けます。王異は弓をとって、冀城の防衛を助けました。
冀城の守備から反撃に至るまで、夫の趙昂は9度にわたって奇計を出していますが、王異はその都度参画していました。人質となった子を失うことも恐れず、周囲を鼓舞する様は正に女戦士。
こんな勇ましい女性も居たんですね……。
まとめ
実際のところ、当時の女性は前線に出たりはしていません。男性と共に戦うのではなく、どちらかと言えば、癒す存在だったのだと思います。
しかし、王異や趙娥のような、勇敢な女性も存在していました。記録に残ったということは、やはり珍しいことだったのでしょうね。
三国志のゲームには、他にも沢山の女性達が出てきます。(中には全員女性なんてものも!)色々と調べていくうちに、それをきっかけに三国志ファンが増えてくれれば嬉しいですね。
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