許褚の性格に迫る! いつもボンヤリなタイプだった!?
魏の武将:許褚には”虎痴”というあだ名が付いていました。”痴”はボーっとしている、という意味のようですが、ここぞというところで活躍している話をみると、許褚の全体像がよくわかりません。普段はボンヤリしているけど、いざという時は急にシャキッとするタイプなんでしょうか?
ということで、今回は、色んなエピソードから許褚の本質を探ってみます。
許褚は、どんな人物だったのでしょう?
エスパー!? 反逆者を事前に察知
許褚の持つエピソードで、驚くものが一つあります。
当時、徐他(じょ た)という兵が居たのですが、彼は密かに反乱を企てていました。しかし、曹操の側には常に許褚の姿があったため、決行出来ずにいたのです。
そこで徐他は、許褚が不在の日を狙います。懐に刀を忍ばせ、曹操の帳に向かいました。
ところが、いざ帳に入ると、そこには居るはずのない許褚の姿がありました。
実は許褚は、胸騒ぎを覚え、引き返していたのです。愕然とする徐他に気付いた許褚は、すぐさま彼を殺し、曹操暗殺を未然に防いだのでした。
徐他は相当、露骨に顔色を変えたのでしょうね(笑)。それにしても、やはり驚くのは、許褚の勘の鋭さ。もしかしたら、日頃から徐他を怪しいと思っていたのかも知れませんね。
このような事もあって、許褚は増々、曹操から重んじられるようになりました。
曹仁とのやりとり
こんな話も残されています。
曹仁が荊州から帰還した時、宮殿の外で許褚と出くわしたことがありました。
そこで、中で語り合おうと許褚を誘ったのですが、許褚は、「殿はもうすぐお姿を見せましょう。」とだけ言い残し、そのまま宮殿に引き返してしまいました。
これに曹仁はカチンと来たようで、他の者からも、「曹仁殿は曹一族の重臣です。折角誘われたのに、何故断ったのですか。」と咎められます。
すると、許褚は「あの方は殿のご親族の重臣ですが、外の諸侯です。私は朝廷内における臣下の一人ですから、大勢で話し合えれば充分です。個人的なお付き合いなど、どうして出来ましょうか。」と答え、後でこの一件を聞いた曹操は喜んだとか。
許褚にしてみれば分を弁えたつもりだったのでしょうが、曹仁からは愛想の無いヤツだと思われたんでしょうね(笑)。
ボンヤリというか、マイペースな人だったんじゃないでしょうか?
曹仁相手でコレですから、交友関係とか全く興味が無かったのだと思います。
正史の記載
「正史三国志」魏書・許褚伝によると、許褚は慎み深く、法をよく守り、質朴で重々しく、言葉少なであったとあります。
自分を飾らない、純粋で真っ直ぐな性格をしていたようですね。
曹操が亡くなった時、彼は泣き過ぎて血まで吐いたということですから、その誠実さが伺えます。
まとめ
普段の許褚は自然体で過ごしていたようですが、いざという時は野生のカンが働く人でした。
考えてみれば、潼関の戦いと徐他の件で、曹操を2度も危機から救ったことになります。
充分過ぎる程、任務はこなしていました。加えて、この性格なら、曹操に大切にされたのも頷けます。
演義では徐晃と大喧嘩するエピソードがありましたが、実際の彼は喧嘩どころか、人付き合いもあまりしていなかったかも知れませんね。
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